補聴器／難聴の情報サイト｢耳の話。｣ presented by 認定補聴器専門店プロショップ大塚(静岡県浜松市)

顎（アゴ）と補聴器について

補聴器は耳の穴に入れて使う道具です。
その補聴器を入れる「耳の穴（外耳道）」は、人によって様々な特徴があります。

・太さ　マッチ棒から親指以上の方まで。
・硬さ　脂肪が多く柔らかい人、皮膚が薄く固い人。
・変形　口を開いたときと閉じた時で、形が大きく変わる方。変わらない方。

など様々です。

このうち、三番目の口を開いたり閉じたりしたときの耳の穴の変化は、顎関節の動きによるものです。
耳の穴とアゴの関節は、距離が近いため密接に関係します。

口を開いたときと閉じた時で、形が大きく変化するというのは、当然補聴器の付け心地にも影響してきます。

顎関節症になやむ、あるお客様の事例

あるお客様の事例ですが、難聴にくわえ、慢性的な顎関節症にお悩みの方でした。
顎関節症は、アゴの関節が炎症を起こして、口を開けたり閉じたりするたびに痛む病気です。

「最近、仕事が忙しくてあまり寝ていない。
　家内に聞くと寝ているときに歯軋りしてるらしい。
　治っても、仕事が忙しくなると繰り返す。
　補聴器を使っていると一層ひどくなる気がするけど
　仕事中は補聴器がないと困る」
とのことでした。

他店にて購入されたというオーダーメイドの補聴器を見せていただきました。
形は悪くなかったのですが、顎関節へ配慮した様子はありませんでした。

そこで、補聴器を少しだけ削らせていただいたところ
補聴器の付け心地が大変軽くなったと言っていただきました。

このお客様の場合には補聴器の調整で付け心地が大きく改善しましたが、
顎関節症の場合、補聴器を耳に入ると顎関節の動きに影響が出て痛む場合がまれにあります。
可能であれば、顎関節症の治療を先に行ってから、補聴器を作られたほうがいいかもしれません。

また治療が困難な慢性的な顎関節症の場合には、
左右痛みの無い耳だけに補聴器装用をおすすめする場合もあります。

くわしくは、実際に補聴器をご購入される際に、その補聴器店とご相談ください。

補聴器のオーダーメイドだからできること

耳の形も人それぞれなら、つけ心地の良い補聴器の形も人それぞれです。

たとえば、上のお客様のような、口を開いたときと閉じた時で、耳の穴の形が大きく変化する方の場合には、
当店の場合には、耳型を採取する際、口を閉じた状態と、口を少し開いた状態の二種類の耳型を採取させていただく場合があります。

補聴器のオーダーメイドは、このような補聴器を付ける方の生身に合わせられるというメリットがあります。
ただ、人体というのは非常に複雑で、それに合わせるには知識・技術・経験が必要なことです。
ですので、良い補聴器を手にいれるには、まず良い補聴器店選び が大切だと考えます。

参考

・補聴器の専門店が必要なワケ
・補聴器は買う前に借りるのがポイント！
・補聴器を使うと、耳鳴りはどうなるの？
・補聴器の相談は、補聴器に詳しい「認定補聴器専門店」をオススメします